公的医療保険制度の仕組み
公的医療保険制度とは、加入者やその家族など(被扶養者)が、医療の必要な状態になったときに、公的機関などが医療費の一部負担をしてくれるという制度です。加入者が収入に応じて保険料を出し合い、そこから医療費を支出するという仕組みになっています。
日本では、すべての人が公的医療保険制度に加入することになっていて、これを「国民皆保険制度」とよんでいます。公的医療保険制度にはいくつかの種類があり、それぞれの職域などによって加入する制度が違っています。
■組合管掌健康保険
主に大手の企業などのサラリーマンが加入するもので、各企業単独、あるいはいくつかの企業でグループを作って健康保険組合を設立し、運営しています。
全国規模となる全国健康保険協会管掌健康保険と比べて、一定規模の職域など小集団であるため、効率的できめこまかいサービスができることなどが特徴としてあります。例えば、医療費を負担する保険給付事業のほかにも、被保険者とその被扶養者の健康の保持・増進をはかる事業として、健康診断をはじめ、独自のレクリエーションや広報活動・保養所等の施設運営などを行っています。
健康保険組合は、一企業で社員が700人以上いると単独で設立できます。複数企業の場合は3,000人以上いると共同で設立することもできます。
■全国健康保険協会管掌健康保険
主に中小企業などで働く人とその被扶養者が加入します。運営は全国健康保険協会が行っています。
各業務などの担当は、健康保険の加入に関する届出や照会は事業所所在地を管轄する社会保険事務所が行い、健康保険の給付の申請や照会については事業所所在地の都道府県内にある全国健康保険協会各支部にて行います。
■ 船員保険
船員保険とは、船員法第1条に規定する船員として船舶所有者に雇用される人と、その被扶養者を対象とした総合的な保険制度です。船員保険は、健康保険制度・雇用保険制度・労働者災害補償保険制度を一つにまとめた制度で、社会保険庁が管理運営を行っています。年金制度は厚生年金へ統合されています。
対象となる人は、下記の船舶に乗り込む船長、海員、予備船員などです。
■共済組合
共済組合とは、国家公務員・地方公務員・私立学校職員等と、その被扶養者が加入する制度です。共済組合では、健康保険と年金保険の運営を行っています。
共済組合は職種等によって分かれています。